第101回:ニュースより 其の参(2002/5/15)


ニュースシリーズの最後は、「無の境地」の究極形を思わせる事件を一つ。

日本人観光客、侵攻作戦知らずベツレヘムの聖誕教会へ
2002.04.18


(CNN)
英BBCなどによると、ヨルダン川西岸ベツレヘムで17日、
日本人旅行者の若者カップルが、イスラエル軍の侵攻作戦について知らないまま、
パレスチナ人とイスラエル軍が対じし続ける聖誕教会を観光しようとして、
取材中の報道陣に“救出”される騒ぎがあった。

ベツレヘムのパレスチナ住民が困惑して眺めるなか、
若い男女2人はタクシーでたどり着いた同市入り口検問所から、徒歩で市中心部の教会を目指した。
ガイドブックを読むのに夢中で、銃撃戦の続く街の異常な様子には、全く気づかなかったという。

防弾チョッキにヘルメット姿の報道陣が通りがかりに2人を発見し、
銃弾で穴だらけのビルや路面にちらばる破片、往来をふさぐイスラエル軍の戦車などを指差し、
危険を知らせた。
2人は初めて異変に気づき、パレスチナ人約200人が篭城を続ける聖誕教会の観光を中止した。

2人は6カ月前から旅行中で、その間テレビ、新聞のニュースは知らず、
自治区で何が起きているか何も知らなかったと話している。


・・・よく生き残ったと思う。
困惑して眺めるパレスチナ住民の姿を見たかった。