第382回:ワクワクが足りねぇ(2009/03/30)


大人になって様々な物事を達観できるようになったからでしょうか、
最近は『ワクワクする』ことが少なくなったような気がします。

いや、全くワクワクしない訳じゃないですよ。
プロ野球の開幕やニデラの新作稼働を前に控えるとワクワクしますし、
楽しみにしているゲームや音楽CDの発売日が迫ってくると同じくワクワクします。

ただ、子供の頃に描いた21世紀の未来像みたいな、
自分の想像(妄想)レベルにおける未知なる世界への期待、
「よく分からないけど、なんかスゲーことが起るんじゃないか!」
夢を膨らませるようなワクワク感は少なくなったなぁ、と。

ちなみに私が子供の頃に描いた21世紀の日本は……

 ・車は空を飛ぶ
 ・警察や消防はパトレイバーみたいなロボを導入
 ・一人に一台ずつ腕時計サイズの無線機(コンピュータ)が国から支給される
 ・野球のピッチャー交代は剛Q超児イッキマン方式になる
  →降板するピッチャーを乗せたままマウンドが下がっていく
  →代わったピッチャーを乗せたマウンドがまた上がってくる

そんなベタなものでした。

まあ、『ガンダム』や『ドラグナー』などのロボットアニメや
『つくば万博』や『未来のロボット博』などの科学技術博覧会を
リアルで経験している世代はこんなもんでしょう。
実際のところ我々の生活レベルにおいては、20世紀も21世紀も大きな変化は無いかと。
ただ、現在普通に使っている携帯電話とインターネットの世界だけは
我々が子供の頃に描いた21世紀の未来像を遙かに超越した技術だと思いますが。
※確か長野オリンピックではスタッフが腕時計型の無線機(携帯電話?)を使っていたような

えー、話が逸れました(←いつものこと)
とにかくこの自分の想像(妄想)レベルでワクワクするってことが
大人になるとめっきり少なくなってしまったなぁ、と思う訳です。

それは野球の世界でも然り。
『現役バリバリのメジャーリーガー』という謳い文句で日本にやってくる外国人選手に対し、
「こいつどんなプレーを見せてくれるんだろう」と走攻守3拍子揃った姿を想像(妄想)しながら
シーズンが始まるのをワクワクするようなことが無くなりました。

まあ、最近はメジャーリーグの試合をテレビで観る機会も多くなりましたし、
多くの日本人選手がメジャーの舞台に立って(一部の選手は)華々しい成績を残しているので
色々な意味でメジャーリーグが『近い存在』になってしまったんですよね。
だから仕方ないとは思いますけど。

でも、『現役メジャーリーガー』と聞いてワクワクしていた子供の頃に、
雑誌・新聞の活字や伝聞の情報を頼りに想像と妄想で無限の可能性を生み出していたあの頃に、
今更ながら憧れるというか戻りたいというか……そんな気持ちを抱くこともしばしば。

そう、この選手がヤクルトへ入団した時のように。




赤鬼・ホーナー


来日した外国人選手は数あれど、一番ワクワクしたのはやっぱりボブ・ホーナーだなぁ。
自分の人生を思い返してみても、彼ほど想像(妄想)だけでワクワクさせられた選手はいなかったかと。

当時(1987年)『現役メジャーリーガー』と言われたら、
「実際に観たことないしよく分からないけどきっと凄いはず!」と
それこそ『NASAが研究開発』と言われた時と同じような感覚に陥りました。

だからどんなスゲー奴が来るんだろうと、野球ファンの間では休み時間も昼休みもホーナーの話題一色。
放課後に運動場で野球をやると、まだ見たこともないのに全員が『俺、ホーナー』と言う有様。
1番から9番までホーナーが並ぶ超重量打線ですよ。
(相手チームも対抗して1番から9番までブーマー並べてましたけど)
そして来日直後の4試合で6本塁打と、噂に違わぬ活躍っぷりに子供達大興奮。
私は当時から生粋の中日ファンでしたが、
ホーナーに打たれて負けるならしょうがないと思えるくらい『神格化』してました。

ホーナーの活躍を受け、「ホーナー旋風」という見出しが各スポーツ紙に躍りましたが、
我々子供達の中でも大いなる旋風を巻き起こしていましたもの。

あ、ちなみに野球に詳しくない方の為に「ホーナーがどのくらい凄かったのか」を補足説明しますと、
ファミコンの『燃えろ!!プロ野球』でバントホームランができるくらい凄い選手でした。
(正確にはハーフスイングからのホームラン)

ま、野球に限らずたまにはこういう夢膨らませるワクワク感を味わってみたいものです。
うーん、大人の階段を上ってしまった今では難しいのかもしれませんけどね。


<BGM>
Turii 〜Panta rhei(Zektbach)
[ Ristaccia -The Epic of Zektbach- / KONAMI ]