第404回:もっとマニア心を擽って欲しい(2010/05/18)


コンピュータゲームの黎明期より数々のシミュレーションゲームを世に送り出してきたコーエー。
そのコーエー作品群の中に『アンジェリーク』という人気シリーズがあります。

内容は端的に申し上げると「女子が男子を口説き落とす」ゲームで、
『ネオロマンス』なるコーエー的ジャンルを冠に記した
女性向けの恋愛シミュレーションゲームです。
男性にとっては殆ど縁のないゲームですが、
昔から根強い人気があるので私でもさすがに名前くらいは知っております。

まあ、我々の年代にとってコーエーのシミュレーションゲームと言えば、
『団地妻の誘惑』『ナイトライフ』『オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか?』
の3本が真っ先に(主にネタとして)挙がるのですが、
年代を問わず殆どの女性はこの『ネオロマンス』シリーズを挙げるのではないでしょうか。
(尤も『伊忍道』『項劉記』『ロイヤルブラッド』あたりを挙げる女性がいたら個人的に燃えますが)

さて、そんな根強い人気を誇る『アンジェリーク』シリーズですが、
こんなスピンアウト作品が漫画で登場するそうです。





その名も『戦国アンジェリーク』

まあ、内容は「アンジェリークのキャラクターが戦国時代で活躍する」という
そのタイトルからある程度の想像ができるものです。
私もタイトルを聞いて最初は「なんじゃそりゃ?」とツッコミを入れましたが、
まだまだ歴史ブームだし、インパクト面で戦国BASARAに持って行かれてるし
こういう展開もまあアリなんじゃないかな、と思い直しました。

……が、それも極僅かな時間のこと。
登場予定キャラの名前を見て再びツッコミを入れることになろうとは。
や、まだ一部しか公表されていないと思いますが、
登場キャラが


 織田・アンジェリーク・信長
 伊達・オスカー・政宗
 武田・ジュリアス・信玄


など、有名な戦国大名・武将にミドルネームが付与された
想像を遙かに超えるレベルの名前
だったんです。
声に出して読んでみるとスゲー新鮮な響きで、なんかもう腰抜けるくらいに脱力しました。

……ただ、冷静に考えてみると何か1つ物足りないんですよ、個人的に。
なにが理由なんだろう、としばらく考えて出た答えがコレでした。


 『登場する戦国大名・武将がメジャー過ぎる』


そう、織田信長とか伊達政宗とか武田信玄とか、
中学レベルの歴史の教科書に必ず出てくるキャラ、
『信長の野望』で言えば武将にも国力にも恵まれているキャラが多いのですよ。

確かに、一般層を意識すれば誰もが知っている有名な大名・武将は妥当な人選なんでしょうけど、
全てのキャラを有名どころで固めてしまうのではなく、
一部でマニア心を擽られる方向性を見せても良いと思うんですよね。コーエーなんだし。

例えば、


 姉小路・アンジェリーク・頼綱
 畠山・オスカー・義綱
 今川・ジュリアス・氏真


など、ちょっとマニア心を擽られる大名・武将と二身合体させて、
女の子ウケするような美形キャラに仕立て上げれば、
マニアな歴女は当然喜ぶし、そうでない歴女やアンジェリークから入った人は
「姉小路とか畠山って誰だろう」と戦国時代についてもっと勉強するようになるでしょう。
そしてその結果、『信長の野望』シリーズはバカ売れする……とは思わないや。これは言い過ぎた。


ま、とにかくもうちょっとマニア心を擽られる要素があると、
面白い方向性が見出せるのではないか、とか思っちゃったりした訳です。コーエーなんだし。
主人公が『姉小路・アンジェリーク・頼綱』だったら、私も手が出てしまう自信ありますもん。

なお、ジャンルを問わず『戦国〜』と名の付く著名な作品と言えば、
『戦国BASARA』『戦国ソーサリアン』『戦国の長嶋巨人軍』あたりが挙がりますけど、
果たしてこの『戦国アンジェリーク』も(どちらかと言うと『戦国の長嶋巨人軍』的な路線で)
その名を残すことができるのか……要注目ですね。


<BGM>
Macuilxochit!(Long Version)
[ jubeat ripples APPEND SOUNDTRACK / KONAMI ]