第49回:ニウマソン(2001/04/02)


身辺慌しくしばらく音信普通状態が続いておりましたが、
ようやく落ち着きましてネット界へ戦列復帰致しました。
で、何が慌しかったかと言いますとニューマシンの購入に踏み切ったからであります。
しかも自作で。
何か物を造る時、一波乱も二波乱も呼び起こしてしまう私でありますが、
今回も例に漏れず色々な出来事がありまして、
結局3月30日(金)から造り始めて、戦力として送り出せるようになったのは4月1日(日)の夜。
相変わらず素直に事が運ばない私・・・。
では、この3日間で何が起こったのかちょっとまとめてみます。

<3月30日>

昼休みに箱を買いに行き、これで必要な物は全部揃った。
(中のパーツは29日(木)に買ってあった)
箱の色は弥生カラー(紫)と樹カラー(青)とさんざ悩んだ挙句、樹カラーの物を選ぶ
んで、仕事はさっさと定時で切り上げ、自作マシンアドバイザーのカレー君と共に我が家へ。
ただ、ディスプレイに関して兄貴より「送るのは早くて土曜の午前中だ」との連絡があり、
急遽会社のディスプレイ(液晶)を借りていくことにする。
私がディスプレイ、カレー君が箱(樹タイプ)を持ち、家路を急ぐ。
なお、ディスプレイは某ヨド○シカメラの袋に入れてたのだが、
持つ所が良い感じで「縄」っぽくなっており、
手に食い込む感覚がどうもSMを髣髴とさせて困ってしまった。
うん、私には絶対に向かないプレイだな・・・と、この時に確信した。
だって、すんげー痛いっすもん・・・。

で、妙なSM感覚に戸惑いながらも無事我が家へ到着し、
さあ!やるぞ!!って早速箱(マシン)の箱(入れてあるダンボール)を開けたのだが、
私の目に飛び込んできた物は、どう見ても樹カラー(青)のそれではなかった。
何かの間違いだと思って取り出してみたが、どうみても形と色が違う。

「・・・騙された・・・」

見本は樹カラー(青)の渋いやつだったのに、
中から現れたのは何の取柄も無い白の箱だったのだ。
やっぱり樹は「月の魔法が解けて、自分の居場所へと帰った」という訳ですな。
さすがに今更変えて貰う訳にもいかず、そう思い込んで樹カラーを諦めることに。
もうこの辺から前途多難な雰囲気がプンプンしてきた。
すんなり行く例が絶対に無いんだもんなあ・・・。
という訳で、とりあえず飯を先に食うことにする。

飯食って帰ってくると、早速造り始めた。
ただ、色々な所で四苦八苦する。
FDやCDは上手く入らないわ、ボードは全然ささらないわ、CPUファンの爪は硬いわ、
なんでこうスンナリいかないのかなあ・・・と本気で嘆くような状態。
(FDとCDは箱の説明書を読んでなかったのが問題だったのだが)

それでも23時ちょっと前くらいに全てのパーツの取り付けが完了。
電源ONの儀式へと突入した。
やっぱり最初ってのは緊張するもので、目を逸らしつつポチっとな。
しかし、我々を嘲笑うかのようにマシンはウンともスンとも言わない。
そう、電源が全然入らんのだ。
自作の困る所は、こういった状況の時に何処が悪いのか判断しにくい所。
テスターがあればまた違ったのだが、そんなものは持っていないので、
思い当たることを全て試してみる。
が、やっぱりダメ。
意気消沈する2人。
既にカレー君は終電を逃して帰れない。
私のウン十万はパーになってしまうのか・・・不安な想いが交錯する・・・。
そしてカレー君は帰れないので奥さんに怒られる、と心配になる。
が、まあ何やってもダメな物はダメなので、始発の出る時間までゲームに勤しむ。

<3月31日>

カレー君と一緒に家を出て、とりあえず会社へテスターを取りに行く。
折角だからディスプレイも返すことに。
今日の午前中に新しいの届くしね。
新宿でカレー君と別れ、会社へ到着したのが7時ちょっと前。
明け方のオフィス棟はかなり不気味だ。
で、ここでも落とし穴、テスターが無いのだ。
絶対にあった筈なのに・・・。
多分、日曜大工好きのシャチョーが持って帰ってしまったのだろう。
結局、ディスプレイを返しに来ただけという結果に終わり、さっさと家に引き上げて寝る。

仮眠取ること3時間くらい。
ディスプレイを届けに来た運送屋に起こされ、とりあえず再始動。
17インチのなんちゃらトロンの結構良いディスプレイであるが、
マシンが無ければ結局はただの箱である。
「お前を無駄にはさせないからな!!」
とディスプレイに宣言する私。
傍から見ればただのバカであるに違いない。

とりあえず、故障の原因を電気系統に狙いを絞ってテスターを買いに行くことに。
つーか、元々用意してなきゃいけないんでしょうね。
今日2回目の新宿なのだが、なんと外は雪。
でも、なんかいい予感がしたね。
雪って私にとってはかなり縁起のよい物だから(と思い込んでる)
んで、ヨドバシでテスターと念のためキャリアーカーを購入。
(電源ユニットの故障なら取り替えだから。また持ってこなきゃならないんで。)
ゲーセンなどの甘い誘惑に目もくれず、さっさと家に帰る。
なお、現時点で考えられる故障の原因は以下の3つ。

1.電源ユニットの初期不良(無償で交換。店に持って行くのがヘヴィ。)
2.マザーボードの初期不良(無償で交換・・・だと思うが受け付けてくれるのか?)
3.マザーボード壊した(当然買い直し)
4.配線ミス(これは可能性としてゼロだが)

3は最悪のケースなため後回しにし、まずは1を調べることに。
買ってきたテスターを使い、電源プラグへ突っ込む。
が、ウンともスンとも言わない。
こ、これは!電源ユニットの故障か!!
と思いきや、単に背面の電源が点いてなかっただけ。
気を取り直して電源を入れ、もう一度インサート!!
・・・針が動いた。
そう、電源ユニットは正常に動いていた。
こうなったら、マザーボードが悪いとしか思えない。
壊したのか初期不良なのかは解らないが、取り替えるのは厳しいだろう。
かなりブルー入り、半ばヤケクソな感じでテスターをそこら中に突っ込む。
「見間違えじゃないのか?」ということを信じて・・・
しかしテスターの針は確かに動いていた。
この事実を目の当たりにし、マザーボードが悪いと諦めた私だったが、
一応、持っていく前にもう一度だけ確かめてみようとセッティング。
「どうせダメだろう」と期待0%の中で電源をONにした。

シュイーン!!

う、動いた!
動いたよ!動いたぜ!!
もう、起死回生逆転サヨナラ満塁ホームランの気分だ。
ウキウキしながらディスプレイを見るが、何も映らない。
ハテ?ケーブルがささってないのかな?
しかし、ちゃんとケーブルはささっていた。
ここから悩むこと1時間くらい。
結論として、グラフィックボードがちゃんとささっていなかったのが原因なのだが、
ネジを止める位置が、どう見てもちゃんとささらない所にあった。
こりゃ私は悪くないぞ。
・・・やっぱり箱か。
全てはこいつが間違っていたことから始まっている。
私はこの箱を一生愛することができないかもしれない。

で、その辺(ささらない)もなんとか解決し、BIOSを設定する。
とりあえず色々疲れたので、今日は寝ることに。
鼻の調子もどうも悪かったし。

<4月1日>

カレー君の電話で目が覚める。
電源が入ったことを報告し、喜びを分ち合う二人。
しかし、何が悪かったのかは依然謎のままだ。
テスター突っ込みまくったのが勝因か?とも思う。
で、とりあえずOSやらアプリケーションを整えること1日、
ようやく1軍へ上がれる体勢が整える。
しかし、速い速い。
今までのが遅かったというのがあるが、それにしても速い。
その速さに圧倒されながら最後の作業、前面カバーの取り付けにかかる。
「長きに渡ったこの戦いも、これでフィナーレか・・・」
ちょっとおセンチ(10センチくらい)になりながら、カバーを取り付ける。

よっしゃ!完成ぃぃぃぃ!!!

もう、全世界全ての人に「ありがとう」と言いたい心境だった。
が、やはりオチは待っていた・・・。
一度電源を切って入れなおしたのだが、

電源ボタンが埋まったまま戻ってこない

のである。
故に、電源押しっぱなしの強制終了状態になるため、
泣く泣くボタン部分を外すことに。
これはどう考えても初期不良。
でもさあ、こんなの組み立てるまで解らんよ・・・。
取り替えるなら全部外さなきゃいかんし・・・。
最後の最後に待っていたなあ、とんでもないことが。
負けたぜ、あんたにゃ・・・お前は最強の箱だぜ。

私は「これも運命か」と夕日を背にお茶を手にする。
今日のお茶は何故かいつもよりほろ苦い感じがした・・・。



そんな訳で、私のニューマシンの電源ボタンはありません。
まあ、こういうのが自作の楽しい所なんでしょうね。
とりあえず、動くから良しとしておきます。
かなり快適ですからね。 ただ、処理が速くなっても私の作業まで比例して速くはならないですな。
これは私の問題か・・・。