第81回:『元』という字が一番寂しく思った日(2001/11/12)


私が尊敬してやまない中日ドラゴンズの今中慎二投手が、
今シーズン限りでユニフォームを脱ぐ事になりました。
野球には興味無くとも私のコラムを読んだ事がある方なら、
その名前くらいは記憶の片隅にあるかと思います。

一応中日ドラゴンズファンという特定の贔屓球団がある私ですが、
野球そのものが好きなので他の球団にも沢山好きな選手はいます。
しかし、今中投手だけはその枠をも超えた別格の存在です。
(中日ファンでなくても一番尊敬していたでしょう。)
野球を本格的にやっていた頃は、自分が左投げでないのを恨んだくらい惚れ込んでましたし、
セットポジションの入り方やマウンドの仕草まで今中投手を意識していました。
草野球チームの背番号は勿論今中選手が付けている『14』。
残念ながら力量の方は到底及びませんでしたけどね・・・。

多分、90年代のエースと言えば、
同じく今年ユニフォームを脱いだ斎藤雅樹投手(巨人)と今中慎二投手の2人でしょう。
彼等が投げ合う試合ほど緊張感が漂うものはなかったなあ、と懐かしさが込み上げてきます。

もう今中投手の素晴らしさは挙げるときりがありません。
巨人の仁志が初ホームランを今中投手から打った時、
松井から「あんな大投手から初ホームランだなんて一生の記念になるぞ」と言われたり、
落合から「ストレートで真っ向勝負を挑んでくるピッチャーはセリーグでは今中だけ」と言わせたり、
中日に移籍した川崎が「復活して欲しいのは今中。あんな凄いピッチャーは他にいない」と語ったり、
惜しくもノーヒットノーランを逃した試合の唯一打たれたヒットが長嶋一茂の三塁打だったり、
もう兎に角、見ていて気持ちの良いピッチャーでした。(最後のはどうでもいいが)
マウンドでの姿は誰よりも輝いていました。
でも、その勇姿をもう見ることはできません。(引退セレモニーを除いて)

ちなみに、今中選手は現在30歳です。
まさか30でユニフォームを脱ぐ事になるとは予想もしてませんでした。
でも、遅かれ早かれその時はやってくるのですから、これもまた運命なのでしょうね。
今はただ、今中選手に心から御礼を言いたいです。

今中選手、夢をありがとう、そしてお疲れ様でした。

第二の人生も頑張ってください。
貴方のクールなマウンド捌きは一生忘れません。

さて、これで私の自己紹介に『元』という字を付け加えなくてはいけません。
この字をこんなに寂しい気持ちで書くことになるなんて、
今まで考えた事もありませんでしたね・・・。